富士信仰の拠点である浅間神社のまとめ

富士山は、古代より現代に至るまで、崇拝の対象となっています。どこから見ても美しくどこよりも高いその山容は、広範囲の人々にとって心の拠り所となる羨望の対象でした。
同時に、富士の噴火の歴史は、畏怖の対象でもありました。羨望・畏怖両面において圧倒的なカリスマ性を発揮し、霊山として祭祀の対象となっていったのです。

その富士山信仰の拠点となったのが、現在も関東中心に1300存在する浅間神社です。当記事は、富士山信仰の中心に位置する浅間神社について記述します。

富士山と日本神話

ほとんどの浅間神社は、日本神話に登場する木花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)を主祭神として祀っています。富士山を神格化した浅間大神をコノハナノサクヤヒメと同神としているのです。
その理由は、大きく分けて2つあります。

1.コノハナノサクヤヒメは、日本神話中もっとも美しい女神といわれています。

富士の美しい山容と重ねたと見ることができます。
※ちなみに、姉イワナガヒメは、醜い女性の象徴として登場します。

2.コノハナノサクヤヒメには、火中で出産をしたというすさまじいエピソードがあります。

天孫ニニギと結婚するのですが、一晩で懐妊したことを不信に思ったニニギの疑いを晴らすため、火中で出産しました。(神の子であれば、火中で産んでも死なないということ)そのエピソードが、火山としての富士と重なったものと考えられます。

そのため、浅間神社は、富士を眺め拝む山宮 湖沼等が水辺があり鎮火を祈る里宮という二対構造になっていることが多いのが特徴です。山宮をつくれない多くの浅間神社も境内に富士塚を築きました。

浅間神社のルーツは駿河(静岡)なのか甲斐(山梨)なのか?

現在も尚、駿河(静岡県)と甲斐(山梨県)は、富士の帰属をめぐって争っているように思えますが、浅間信仰に関していえば、そのルーツは駿河に軍配が上がります。

駿河の富士山本宮浅間大社(富士宮市)は、9世紀初め(806年)には、現在地に鎮座し、甲斐の浅間神社は864年の富士山の貞観大噴火を受けて、新たに祀ったものとされています。

そのため、浅間神社の総本宮は富士山本宮浅間大社(富士宮市)とされ、富士山の8合目以上は当社の境内地とされています。
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浅間神社の論社

そのときに新たに祀られた甲斐の浅間神社が、現在のどの神社に当たるのかについては明確な合意がありませんが、下記三社のいずれかとされています。このように、過去の文献記録上の神社か否かについて議論が分かれているものを論社といいます。

浅間神社(笛吹市)

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河口浅間神社(南都留郡富士河口湖町)

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一宮浅間神社(西八代郡市川三郷町)

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社格高い浅間神社について

1300社もある浅間神社の中でも、高い社格を有する浅間神社をご紹介します。やはり、富士山の登山口をもつ旧駿河国(静岡県)と旧甲斐国(山梨県)に集中しています。

静岡県

富士山本宮浅間大社(富士宮市)

浅間神社の総本宮。富士山8合目以上は当社境内地で、山頂には奥宮が鎮座する。
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静岡浅間神社(静岡市葵区)

神部神社・浅間神社(富士新宮)・大歳御祖神社の総称。
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富知六所淺間神社(富士市)

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山梨県

浅間神社(笛吹市)

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河口浅間神社(南都留郡富士河口湖町)

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一宮浅間神社(西八代郡市川三郷町高田)

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冨士御室浅間神社(南都留郡富士河口湖町)

富士山二合目に設けられたが、登山口が五合目になったことで衰退、本殿は麓の里宮に移築された。
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小室浅間神社(富士吉田市)

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北口本宮冨士浅間神社(富士吉田市)

前身は諏訪神社。吉田登山口の拠点として栄えた。
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